公述人という4名の有識者の方々が、京都の現状と課題をいろいろな観点でそれぞれ15分程度で述べ、その後参加した総務委員会のメンバーが各人
に質問するという形式でした。
残念ながら、総務委員のメンバーが尋ねる議論は、暫定税率がなくなって混乱したかどうかとか、ガソリンが安くなって環境負荷が高くなったとか低くなったとか、道路建設に必要不必要はない、いま建設予定の道路は全て必要な道路であるとか、そういった点での議論ばかりだったような気がします。
これからの地域主権のために何が必要なのか、どういった仕組みを作ればいいのか、どこをどう改革していったらいいのか、地域から見て国をどう変えて欲しいと思っているのか、といった将来的課題の議論は、あまり聞くことができなかったのが残念でした。
いま話題となっている暫定税率や道路特定財源は、基本的に道路しかつくれない予算です。
しかし各地域政府では、現状予算的に財源不足でもあります。国が大幅な税源移譲を
地域政府に行いたくないとする現在の状況の中で、唯一確実なのは、「道路をつくる為だけならお金を上げよう」という国から地域政府へ渡されるお金。これが暫定税率であり、道路特定財源です。地域政府としては、財源不足の中で、くれるんであればどんなひも付きでも構わないというのが本音だと思います。
地域政府が、暫定税率維持を訴えるのもそこにあると思います。
一般財源化そしてひいては地域政府への税源移譲といったものは、
お金は渡します、徴収権も渡します、各地域政府で市民の生活の中でどれを優先すべきか、優先順位に沿って使ってください。という仕組みを作ることだと思っています。
そういった肝心の部分に触れずに、「今つくっている道路は全て必要な道路である。
不要な道路などない!」という議論は、ちょっと乱暴ではないでしょうか。
仮に全ての道路が必要としても、その中では、優先順位があるはず。同時にその地域政府が抱える道路以外での緊急の課題もあるはず。総合的に判断して予算を使っていく仕組みがいまこそ必要なのではないのだろうか。
もっともっと建設的な議論を聞きたかったけれども、残念でした。
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